長野市の空き家リノベーション最前線を視察しました
- On 2024年1月24日
- In ブログ
空き家問題を解消するべく、全国各地で様々な取り組みがおこなわれていますが、なかでも長野市の空き家リノベーションを手掛けるMYROOMさんの取り組みは今とても業界内外での注目度が高く、様々な取材記事が読めるほどです。
先駆者としてずっと気になる存在だったのですが、このたび、実際に物件を視察しつつ、お会いできる機会をいただけました。
長野の善光寺前の状況は成田ととても似ています。善光寺前の参道は活気があり、新築物件が建つほどですが、一本裏路地を進むと、そこかしこに空き家が散見されます。
しかし元空き家だった古い建物も、今はおしゃれな入居者によって、建物の趣を活かしたままに多様な業種のお店をオープンさせていました。
「新小路はこちら」という看板に誘われて向かうと現れたのは、明らかに元倉庫であっただろう建物がおしゃれに改装された、「東町ベース」。
明らかにもともと蔵であっただろう建物ですが、中身はなんと美容室。
なかでも私が一番衝撃を受けたのは、「カネマツ」。
もともと工場だったようなのですが、その工場の趣はそのままに、使う人のセンスでここまで惹かれる内装になるのかと、今までの「リノベーション」という言葉の価値観が私の中で大きく変化した瞬間でした。
隙間風で寒いのであれば屋内であっても上着を着たままでもいいんだ、とか、少々床の板が浮いていても歩く人がつまづくほどではないしそのままでいいんだ、とか。
古い建物でしか表現できないような、木のぬくもりがこれでもかとあふれる空間づくり。
古い建物をリノベーションするというのは、私のなかでどこかに「ダメなものを良くする」という感覚があったのかもしれません。
でも違って、「古いからこその良さを最大限に活かした建物の使い方ができる人がおしゃれ」という価値観に初めて実際に触れられることができた気がします。
新しいものは新しいものの良さを活かして使えば良いし、逆に、古いものは古いものの良さを活かして使えば良いんですよね。
それは「まちづくり」ではなく「まちづかい」だと、この感覚にぴったりな言葉をも教えてくださったのが、長野市リノベーションのキーパーソン、倉石さんです。
これまでの取り組みとこれからについて、ざっくばらんにお話しくださいました。本当にありがとうございました。
この視察に行けたことで、成田の空き家への取り組みの見方も大きく変わりました。
古いものを良く使えるよう、プロジェクトを進めたいと思います。
(春菜)